品質工学とは Robust Quality Engineering

田口玄一博士により提唱されたSN比を用いて、技術を客観的にかつ経済的な評価を行う学問といえるその一連の手法は「田口メソッド」と呼ばれ、単なる手法にとどまらず、技術を「機能性」で評価するという従来と全く異なる発想での評価手法である。

2段階設計法と呼ばれる →ロバスト設計とも言う

1.直交表を用いた実験から評価尺度として、ノイズに対するバラつきを表すSN比を算出し、バラツキの影響を減らすように設計条件を最適化する

バラツキの原因を取り除くのではない 

2.バラつきが小さくなった上で平均値を目標値に近づける

パラメータ設計の手順の意味を多くの方々が誤解されている。その真意を解説する

SN比が高ければ未知のノイズに強いのか?

制御因子間の交互作用は悪なのか? なぜ確認実験を行うのか?

なぜ混合系直交表を用いるのか?

ロバスト設計がなされた後、経済的に最も正しい部品公差巾を決定するために直交表と損失関数を用いた最適化を行うための方法

発生する損失とコストのバランスで最適な許容差を決定する

工程能力Cpmによる管理やモンテカルロ法との比較を解説

パターン認識、予測

多くの情報から目的に応じた一つの尺度を導き出す方法。将来の予測やパターン認識などに用いられる。

その目的に応じて、「単位空間が端にある場合」と「単位空間が真ん中にある場合」があり、手法が異なる。

MT法とは、予測やパターン認識に活用される手法で、人間や動物が五感により行なっている総合判断を工学的に行う事が主目的である。

例えば、赤ちゃんが母親の顔を他人と区別できる。犬が主人の声を聞き分ける。料理が美味しいかどうか。

AIの手法としても注目を浴びており、データ数が少なくても高い精度で判別ができる特徴がある

生産工程において、工程検査の間隔や方法、工具の交換時期、調整などを損失関数を用いて経済的に最適な工程設計を導き出す手法。

 通常、生産ラインでは目標値や工具の管理などが行われており、検査などの管理コストをかければ、品質は向上するが、感と経験で決められていることが多く、 実際はコストと品質のバランスをとる方法を提案する。

デバッグ

 設計したシステムが、さまざまなお客様の入力(信号)の水準とそれらの組み合わせにより発生するトラブル(バグ)を直交表を用いて

 合理的に発見する方法。 

テスト計画の良否の評価は全組み合わせ数に対するテストに含まれる組み合わせ数の数(1信号、2信号、3信号など)の比率(網羅率)で判断される。 直交表の活用によりテスト数を激減できるが、信号数とその水準数が直交表と一致しない場合、直交表をそのまま用いない方が網羅率が上がることも多い。  

SN比の基礎となる考え方で、「品質工学とは、製品が出荷後、社会に与える損失」と定義されるように、品質を損失金額で表せる。

 品質改善の効果を金額効果で示したり、改善とそのための投資の評価に用いられる。

  シックスシグマでは改善効果を金額で示すことが大切であり、顧客満足度を損失関数により金額で示すことが出来る。