MT法の研究:MT法での問題と解決方法

MT法は、あてはめではない新しい考え方による予測手法であり、その高い予測精度が多く報告されている。

さらに予測や判別精度を向上を目的として、改良すべき点や注意点を示す。

 

問題点:予測結果判定のSN比(対象:MTS, MTA, TS, T )

 予測結果の評価には、絶対評価を真値vs予測値でSN比で行うが、従来のSN比ではデータ数や単位の影響を受けてしまう。 

そのSN比では原点は平均値にしなければならず、原点を平均値以外に取るとSN比はその分高くなり、正しく評価できない。

対策:予測結果判定には基準点比例のSN比を用いる。η=R^2/(1-R^2) これはピアソンの積率相関係数(R^2)をオメガ変換したものと同じなので、総合評価はR^2で評価してもよい。

 

さらに自由度補正のR^2を用いるという方法もよいと思われる。

 

問題点:標準偏差がゼロの項目は解析に使えない(対象:MTS, MTA)

 標準偏差がゼロとなる項目があると解析ができない。正常ではバラツキが無い項目が変化したら、異常なのでそういう項目ほど判定には有効なので使いたい。

 

対策:標準偏差=Δ/2√n を代わりとする(有限補正)。 ここで、データ数n, 最小目盛りΔ

 

例えば、データ数25個が全て同じ値 "5"で、その時の最小目盛が"1"の場合、標準偏差は±0.5の均一分布と考え、0.5/√25=0.1とする